月別アーカイブ: 2023年12月

令和5年度第4回地域学校協働活動推進員等育成研修を実施しました

 令和5年11月30日(木)に、ぎふ地域学校協働活動センターの人材育成事業のひとつである「地域学校協働活動推進員等育成研修」を実施しました。総まとめとなる今回は、岐阜大学全学共通教育棟教室を会場として、対面で実施しました。
 
 ぎふ地域学校協働活動センターは、地域・自治体・学校における「地域学校協働活動」を支援・促進し、子どもたちの成長を地域全体で支えるとともに、活動を通じて地域の活性化を図ることを目的に、岐阜県と岐阜大学の共同で設置されました。同センターは、①人材育成・確保、②調査研究、③普及促進を行っており、今回の育成研修は①人材育成・確保に関する取り組みです。

 受講者は、現在、県内各地域において、社会教育行政、公民館等の施設、学校、地域団体等で活躍する人々で、様々な課題意識をもって参加されていました。今年度は83名の受講申込がありました。

 はじめに、岐阜大学教育学部准教授 板倉憲政氏から「現代の子どもの特徴と関わり方」と題して、現代の子どもたちについて考えていくために、子どもの自殺、虐待、薬物等の依存や自傷行為の実態、その背後にある心の傷や不安・苦悩、孤立・孤独などについての情報提供と、その知識を踏まえてどのように子どもたちと関わっていくことができるかについて、体験的なワークも交えながら分かりやすくご講義をいただきました。質疑応答では、「気になる子どもに出会ったとき、どのように対応したらよいか」という質問に対し、板倉氏から「最初の対応として必要なものは、必ずしも専門家による対応ではない。一緒にいてあげる、話を聞いてあげるだけで、「困っている」と言う声を引き出せることがある」と回答がありました。

 その後、第1回から今回までの研修を振り返り、地域学校協働活動の可能性を探りながら、受講生間での情報交換を図るためのグループワークを実施しました。グループでの話し合いにおいては、どのように子どもたちを核とした地域を実現し、盛り上げていくか、また地域活動へ関わる人を増やしていくか、といったことが話し合われていました。

 今後、育成研修を終えた受講生がその学びを活かしながら地域学校協働活動推進員等としてそれぞれの地域で活躍されることを期待しています。 

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下呂市まちづくり講演会にて市町村支援プログラムを実施しました

 令和5年11月22日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、下呂市まちづくり講演会へ講師派遣を行いました。

 本講演会は市民に向け、コミュニティースクールや地域学校協働活動の地域における役割や目的を周知し、地域が一体となって取り組む意識の向上を図ることを目的として実施されました。参加者は、学校運営協議会や学校の関係者、地域学校協働活動推進員、民生委員や自治会役員、市職員等、計56名でした。

 講師である一般社団法人とちぎ市民協働研究会代表理事 廣瀬隆人氏からは、「地域の子どもたちは、地域で育てる~子どもを核とした、地域のつながりづくり~」と題し、“子どもを核とした地域づくり”の実現に向けた講演がありました。廣瀬氏からは、「新しいことを始めなくとも、今取り組んでいることに心と思いを込めて大事に継続していくこと」、「今あることに変化を加えながら残していくこと」の重要さについて、実例や体験談を交えながら力強く語られました。

 参加者は、講師の言葉をメモしたり、発言に対して反応したりするなど熱心に聴講していました。参加後の感想のなかには、「先進的な取り組みではなく、その地にあった取り組みがきっとあるはずと思いました。それが何なのか見つからなくて、過疎化が進んでどうしたらよいのか…と、さみしい気持ちになっていましたが、まずは身近な人とつながることから始めようと思いました。少し、明るい気持ちになりました」という前向きな意見もあり、本講演会を通して、参加者の方々の意識改革や、当事者意識の向上にもつながったのではないかと考えられます。

 ぎふ地域学校協働活動センターでは、次年度以降も当プログラム等を活用し、様々な活動に取り組んでいく予定です。

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飛騨市の研修会にて市町村支援プログラムを実施しました

 令和5年11月14日(火)にぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムを活用し、飛騨市教育委員会事務局生涯学習課が主催した研修会へ講師派遣を行いました。本研修会は、地域学校協働活動を進めるにあたっての課題解決や、今後の活動の充実を図ることを目的に実施されたもので、地域学校協働活動推進員、学校長、教育関係者の計13名が参加しました。

 今回の研修会は講演と座談会の2部構成とし、講師は中津川市で地域学校協働活動において統括コーディネーターを務める林 茂富氏でした。はじめに林氏より『主体的で対話的なコーディネーターを目指して』と題した講演があり、その後林氏を交えた座談会にて、市内各地域の実践を通して浮かび上がってきた課題を踏まえながら、実際的な地域学校協働活動の取り組み方や活動のあり方等について意見交換を行いました。

 参加した推進員からは、「中津川市の事例を参考に自分が所属する協働本部でも活動として取り入れてみたい」、「統括コーディネーターという役割がどのように活用されているかを知ることが出来た」といった声が聞かれました。また、座談会ではそれぞれの地区での取り組み方などについても意見交換が行われ、推進員同士もお互いの活動を知る良い機会となりました。

 地域特性として、飛騨市は教育委員会が主となり7校区が並行して協働本部を設置している一方、中津川市ではそれぞれの校区で別々に発足し活動を広げている、という相違点があります。こうした経緯の違いから地域としての理解や認識、協力体制といった状況が異なっており、全ての課題に対する解決策・改善策を見いだすことは困難でしたが、他市の事例の取り組み方を参考にして、学校とのかかわり方などについて理解を深めるきっかけとなりました。

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各務原市立蘇原中学校「蘇中塾」において学生ボランティアによる学習支援を実施しました

 令和5年11月8日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである学生ボランティアマッチング機能を活用し、岐阜大学の学生ボランティア3名(地域科学部2年生2名、工学部1年生1名)が各務原市立蘇原中学校「蘇中塾」にて学習支援を実施しました。

 蘇原中学校では、放課後に「個性の伸長・自己決定力・コミュニケーション力等の育成」を目的として、様々な講座を中学生に提供する「アフタースクール」を実施しており、「蘇中塾」は、その一講座です。「蘇中塾」は、学習において分からないことがある、困っているという中学生を対象に、基礎基本の問題から発展的な問題まで丁寧に教える場です。学生ボランティアは中学生とひとつのテーブルを囲み、中学生の質問に答えたり、つまづきに対してヒントを与えたりしながら学習を支援しました。

 参加した学生ボランティアは、「生徒ひとりひとりの学習の進度や理解度は異なるため、生徒個人に合わせた支援体制をとる必要があると感じた」、「生徒とのコミュニケーションにおいては最初にいかに緊張を和らげることができるのかが鍵を握ってくるのだと思った」、「参加者の不安感を取り除き、積極的になれるよう自信を持たせる仕掛けやコミュニケーションの方法をとることが、支援員に必要なスキルであると感じた」と支援のあり方についてそれぞれの感想をもっていました。また、中学生がタブレット端末にある学習教材に取り組んでいたことに対し、「私自身、タブレットがどのような学習ツールであるか知らず、戸惑ってしまった」と、支援員が中学生の学習ツールに適応し理解を深める必要性を感じていました。

 ぎふ地域学校協働活動センターでは、引き続き学生ボランティアによる支援を促していく取り組みを進めていきます。

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