フューチャーセンター(Future Center)とは、多様な人たちが集まり複雑化したテーマ(課題)について「未来志向」、「未来の価値の創造」といった視点から議論する「対話の場」のことを指します。岐阜大学ではこのような地域との対話を創発するためのフューチャーセンターや多様な人との交流ができる空間を構築・運営し、地域との「協学」を推進します。
①地域との対話を通して地域が直面している複雑・広範化した課題の解決に向けて取り組みます。
②フューチャーセンターを活用し、社会貢献に取り組みます。
・産業への貢献:研究主体から学生・生涯教育を含めた地域課題解決を目指します。
・地域政策への貢献:地域課題を浮き彫りにし、地域と協学しながら解決するという循環を創出します。
・地域教育と文化への貢献:地域をめぐる「学び」の仕組みを作り、地域住民が自らの地域課題に即して行政と協働して解決し得るよう支援します。
ぎふフューチャーセンターは、大学、地域、自治体がともに地域の課題を探り、未来に向かって新しい価値をつくる対話の場で、岐阜大学の地(知)の拠点整備事業の取組みの一つです。今年度の第12回は、郡上市と開催し、学生、大学教職員、郡上市職員、地域の皆さんの46名が防災について対話しました。
防災への取り組みを探る
災害に対する備えを振り返り、今後の取り組みを探る
2月13日(金)に郡上市総合文化センターの2階多目的ホールにて、「災害から身を守るためには」をテーマに、ぎふフューチャーセンターを開催しました。
冒頭で、髙木朗義教授(岐阜大学工学部・地域協学センター副センター長)より、「自分は災害にどれだけ備えられているか」というテーマで、地震や風水害などの災害に対し、自分の身は自分で守る、みんなの地域はみんなで守ることが大切であるといった内容の講義があり、参加者が防災に関する事前知識や意識を共有し、対話に臨むことができました。
引き続き髙木教授の進行により、「災害に備えるにはどんな方法が良いか」「地域、または自分たちがやらなくてはいけないこと」をテーマに、学生(岐阜大学学生保安消防隊、防災に関心のある工学部生、留学生など)、防災士を含む地域の方々、郡上市の防災担当やまちづくり担当の職員などが、グループに分かれて対話に参加しました。今回の対話では「個人の防災意識をまず高める」「正しい防災知識を共有する」「地域で取り組むことを進める」など、多様な立場の観点による様々な意見やアイデアが出されました。
最後にグループ発表を行い、各グループの意見やアイデアを共有した後、参加者個人がいつまでに、何を、どのように防災に取り組むかを考え、「やること宣言」シートを作成しました。各個人の防災意識を高めるだけでなく、次につなげる行動を確認するもので、有意義な取り組みとなりました。
今回のフューチャーセンターは、郡上市の総合計画策定における「第3回郡上みらい会議」としても開催されました。今後の郡上市の施策を考える上で、今回の対話から出された意見やアイデアが活用されることが期待されます。
各グループからの意見・アイデア(一例)
自助 ○自分が住んでいる近くの危険な場所を知る。
○防災訓練に参加する。 ○防災グッズを用意する。
共助 ○日頃からご近所づきあいをする。
○自治組織で防災について話し合う。
公助 ○AED・消火器等を公共の施設に設置する。
○砂防ダムや擁壁の設置、避難施設の改良をする。
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災害に備えているか確認 自助・共助チェックシート |
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平成16年台風23号による被災 | 平成26年大雨による土砂崩れ | <写真提供>郡上市 |
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自助・共助チェックシート(岐阜大学髙木朗義教授作成) (PDF 92KB) |
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若い世代にも防災に取り組んで欲しい 様々な立場の方が参加した対話により、自分自身が持っていない視点からの意見を聞くことができました。人それぞれ異なる視点で防災を考えることの大切さを感じました。僕ら若年層が防災にもう少し目を向けていく必要があると思うので、同じ世代に訴えかけるような防災に取り組む大切さを啓発するイベントを企画していきたいと思います。
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防災士として得た知識を地域で生かす 参加された皆さんが、防災について楽しく和やかに話をされており、有意義な時間に感じました。防災について学んだことを伝えさせていただきましたが、学生さんから「勉強になった」という感想を聞くことができ、良かったと思います。防災士として得られた知識や経験を、地域へ還元していきたいと考えております。
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様々なまちづくりの意見を参考に 防災に関する知識を深め、他の方の意見を聞きたいと思い参加しました。参加者の様々な意見が聞けたことにより、勉強になりました。今後も防災の知識と経験を深め、災害時の対応に活かせていけたらと思います。また、職場でもまちづくりの業務に携わっておりますので、今回の研修で得られたことを活かしていきたいです。
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