フューチャーセンター(Future Center)とは、多様な人たちが集まり複雑化したテーマ(課題)について「未来志向」、「未来の価値の創造」といった視点から議論する「対話の場」のことを指します。岐阜大学ではこのような地域との対話を創発するためのフューチャーセンターや多様な人との交流ができる空間を構築・運営し、地域との「協学」を推進します。
①地域との対話を通して地域が直面している複雑・広範化した課題の解決に向けて取り組みます。
②フューチャーセンターを活用し、社会貢献に取り組みます。
・産業への貢献:研究主体から学生・生涯教育を含めた地域課題解決を目指します。
・地域政策への貢献:地域課題を浮き彫りにし、地域と協学しながら解決するという循環を創出します。
・地域教育と文化への貢献:地域をめぐる「学び」の仕組みを作り、地域住民が自らの地域課題に即して行政と協働して解決し得るよう支援します。
ぎふフューチャーセンターは、大学、地域、自治体がともに地域の課題を探り、未来に向かって新しい価値をつくる対話の場で、岐阜大学の地(知)の拠点整備事業の取組みの一つです。今年度の9回目は、岐阜大学と岐阜県の共同開催で、県が提案したテーマについて、学生、地域住民、県職員などの皆さんが話し合いました。
高齢者を支える「地域の力」
地域の生の声を聞き、考えを深める
岐阜市郊外にある三田洞団地では、住民の皆さんが団地内の集会所を利用して定期的にサロンを開き、車座になって会話を楽しんでいます。また、ここでは、岐阜大学地域科学部山崎仁朗教授のゼミにおいて、調査研究のほかイベントへの協力やボランティア活動を行ってきました。
11月7日、三田洞団地の皆さんのご協力のもと、「地域の高齢者を支えるために大学や学生ができること」をテーマにフューチャーセンターを開催しました。団地の皆さんに気負いなく参加していただくため、サロンと同じ集会所を会場とし、形式は車座としました。参加者は、三田洞団地の住民の皆さん、山崎ゼミ生ら地域科学部学生、県職員らの24人。山崎教授の司会進行のもと、3つのグループになり、サブテーマに基づき順次対話を進めました。
最初のサブテーマ「地域における暮らしの問題点」では、高齢者が買い物や掃除など日常生活において支援を必要としていること、また、支援が必要と思われる高齢者を地域で把握しきれていないことがあげられました。続いて、「高齢者やその家族が安心して暮らすためには」では、高齢者のそばに人がいることが必要という観点から、公民館や集会所を活用しながら、人々が気軽に集まり相談できる場所をつくるという意見が出されました。最後に、「地域の高齢者を支えるために大学や学生ができること」について話し合い、各グループの代表から、学生が買い物や話し相手、力仕事など身近なことで地域の高齢者を支援するという意見のほか、学生が地域に入りやすくなるよう行事を工夫するなど学生が地域の高齢者と関わっていくためのきっかけや環境づくりを求める意見が発表されました。
急速に高齢化が進む中、高齢者を支えるために必要なのは地域の力。そのためには、学生が地域にとけこみ、地域を支える人材として活躍することが期待されます。
各グループからの意見・アイデア
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実りある対話のために
グランドルールを守ろう!
多様な人々が集まり、未来志向の対話をするフューチャーセンターでは、参加者全員がグランドルールを守り、「場」づくりに責任をもつことが大切です。
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目的意識を持ち真剣に 三田洞団地には何度も訪れ、住民の方とお話をしてきましたが、今回のように特定のテーマに沿って真剣に話すのは初めてでよい経験となりました。対等な立場というルールを生かし、もう少し発言できるとよかったです。目的を持って行う対話は、社会に出てからや地域活動を行う際にも必要であるので、今後も機会があれば参加したいです。
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課題解決への新たなアプローチ 地域における高齢者の未来というテーマについて、多様な意見やアイデアを聞くことができました。大学・住民・行政という多様な人々が集まり、個々人が持つ知識・経験・発想力をもとに、未来志向で対話する「フューチャーセンター」というアプローチに、従来の行政主導型の問題解決方法にはない可能性を感じました。
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若者との対話や交流を続けたい 高齢化が進む三田洞団地に若い人がとけこみ、地域のことを考えてくれたことがうれしかったです。今後もこうした対話の場を設け、違うメンバー、違うテーマでも話し合いたいです。団地のサロンの行事は、若い人が参加しやすいよう休日を利用するなど工夫し、さらに交流を深めていきたいです。
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