本学地域協学センター益川教授が令和5年度社会教育功労者表彰(文部科学大臣表彰)を受賞しました。
この表彰は、地域における社会教育活動を推進するため多年にわたり社会教育の振興に功労のあった者、及び全国的見地から多年にわたり社会教育関係の団体活動等に精励し社会教育の振興に功労のあったものに対し、その功績をたたえるものです。益川教授は岐阜県社会教育委員の会議長を長年務めるなど、地域における社会教育振興の功労が認められたため受賞となりました。
2月19日(月)には、今回の受賞について益川教授が吉田学長へ報告を行いました。
益川教授は、「岐阜大学に育てていただき、社会教育に関する教育研究活動に邁進できたことが今回の受賞につながったと思っている」と受賞について語りました。吉田学長からは、「これからも自治体との連携を続けていっていただきたい」と激励しました。
本学は引き続き、地域活性化の中核拠点を目指していきます。
学長報告の様子
記念撮影
カテゴリー別アーカイブ: 報告
令和5年度地域学校協働活動推進員等フォローアップ研修(第2回)を実施しました
令和6年1月25日(木)に、ぎふ地域学校協働活動センターの人材育成事業の一つである「地域学校協働活動推進員等フォローアップ研修」を実施しました。
ぎふ地域学校協働活動センターは、地域・自治体・学校における「地域学校協働活動」を支援・促進し、子どもたちの成長を地域全体で支えるとともに、活動を通じて地域の活性化を図ることを目的に、岐阜県と岐阜大学によって共同で設置されました。
同センターでは、
1.人材育成・確保(市町村や社会教育関係団体と連携し、地域学校協働活動推進員(コーディネーター)などを育成する研修や、学生ボランティアの育成・確保)
2.調査研究(市町村や社会教育関係団体と連携し、協働活動や家庭教育等の先進性・モデル性のある実践事例等の調査研究を実施し、発表・報告)
3.普及促進(出前講義やワークショップに参画するなど市町村における推進体制づくりを支援するとともに、実践活動の促進に向けた普及イベント等を開催)
を行っています。
同研修は、地域学校協働活動推進員等育成研修を修了後、県内各地域の社会教育行政、公民館等の施設、学校、地域団体等で活躍されている方を対象に、より深い地域学校協働活動の理解を促すことを目的とした、発展的な学びや情報共有の場です。今年度は46名の受講申込がありました。
今回は、前半で瑞浪市教育委員会学校教育課 統括コーディネーター 吉村美信氏から「行政関係課の連携」と題した講演をいただきました。具体的には、地域学校協働活動を推進するために統括コーディネーターとしてどのように行政関係課や地域のアクターへ働きかけているか、ご自身の経験や現在の取り組みをもとにお話しいただきました。質疑応答では、吉村氏が実践されている行政関係課との橋渡しの取り組み、まちづくり組織のスムーズな運営等について活発な情報交換が行われました。
後半では、受講者間でKJ法を用いたグループワークを行い、受講者がそれぞれの実践で苦労していることや悩んでいることを共有するとともに、改善や解決のための方策を検討しました。最後に、各グループからの発表を通じて、話し合われた内容を全体へ共有し、研修を終えました。
フォローアップ研修は今回で終了となりますが、これまでの研修で学んだことを生かし、それぞれの地域でご活躍いただけることを期待しています。
吉村美信氏による講演の様子 グループワークの様子
羽島市立中央小学校の放課後子ども教室へ学生ボランティアを派遣しました
令和5年12月15日(金)、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである学生ボランティアマッチング機能を活用し、岐阜大学の学生ボランティア3名(地域科学部1年生1名、同学部2年生2名)が羽島市立中央小学校の放課後子ども教室に参加しました。今回の子どもの参加数は10名で、地域の有志ボランティアからなる支援員4名、ボッチャの外部講師2名とともに活動を行いました。
羽島市立中央小学校の放課後子ども教室では、地域の有志ボランティアが支援員となり、小学校3年生を対象に、軽スポーツや伝統文化などの体験活動を実施しています。
今回の活動内容は、ボッチャ体験でした。学生ボランティアは子どもたちとともにボッチャを体験しながら、子どもたちが楽しく活動できるように声掛けやボール回しをしました。
参加した学生ボランティアは、「支援員の方を見ていて印象に残ったことは、子どもと接する際に気を使いすぎず自然体で子どもと接していて、子どもたちも親しみやすい様子だった」、「支援員が見守る様子を見て、子どもと接する際に必要なことを学ぶことができた」、「子どもたちにとって、自分たちのことをよく見てくれていて、声をかけてくれる大人がいるというこの放課後子ども教室は、家や学校とは違った子どもたちにとっての居場所になっていると実感した。それは、周りの大人たちの努力によって成り立っているものであるので、居場所があるという雰囲気を作り出せる支援員の方の行動は素晴らしいと思った」と、子どもに接する支援員の姿から学びを得ることができ、それぞれに支援のあり方を考えていました。
ぎふ地域学校協働活動センターでは、引き続き学生ボランティアによる支援を促す取り組みを進めていきます。
美濃市地域学校協働活動研修会にて市町村支援プログラムを実施しました
令和5年12月13日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、美濃市教育委員会主催の美濃市地域学校協働活動研修会へ講師派遣を行いました。
美濃市では地域学校協働活動本部の設置を進めており、本研修会は関係者や市民に地域学校協働活動本部や同活動について理解を深めてもらうことを目的として実施されました。参加者は、教育委員会職員、コミュニティスクール委員、学校教員、社会教育委員、放課後子ども教室支援員、公民館長、市議会議員等、計45名でした。
講師は岐阜大学教授・ぎふ地域学校協働活動センター センター長の益川浩一が担当し、「地域と学校の連携・協働で子どもの学び・育ちを支え、地域づくりを進める」を演題として地域学校協働活動について講演しました。
参加者からは、「地域と学校の連携を大切に、今あるものを活かすことを進めながら、お互いに協力し合って実践できると良いと思う」、「『今あるものを活かす』、『子どもの意見を聞く』、『願いを共有する』、『活動を知ってもらい仲間をふやす』等、ヒントをいただきました」等、地域学校協働活動を進めていく土台となる発想や考えを得られたという感想が多く聞かれました。
ぎふ地域学校協働活動センターでは、研修活動や相談支援活動を通じ、今後も岐阜県内各市町村に対し地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。
各務原市立蘇原中学校「蘇中塾」において学生ボランティアによる学習支援を実施しました
令和5年12月13日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである学生ボランティアマッチング機能を活用し、岐阜大学の学生ボランティア2名(社会システム経営学環2年生1名、教育学部3年生1名)が各務原市蘇原中学校「蘇中塾」にて学習支援を実施しました。この日は参加生徒14名に対し、中学校教員5名とともに支援にあたりました。
蘇原中学校では、放課後に「個性の伸長・自己決定力・コミュニケーション力等の育成」を目的として、さまざまな講座を中学生に提供する「アフタースクール」を提供しており、「蘇中塾」はその一講座です。「蘇中塾」は、学習においてわからないことがある、困っているという生徒を対象に、基礎基本の問題から発展的な問題まで丁寧に教える場です。学生ボランティアは中学生と一つのテーブルを囲み、中学生の質問に答えたり、つまづきに対してヒントを与えたりしながら学習を支援しました。
参加した学生ボランティアは、「生徒に助言をするなかで、うまくできた部分もあれば反省する部分もあり、生徒の疑問や声に耳を傾け、とことん向き合う姿勢は、いつなんどき忘れてはならないと感じた」、「参加した生徒の中には、初歩的な部分でつまづいている子もおり、そのような生徒の理解を支えるためにも蘇中塾は大きな役割を果たしていると感じた」と、それぞれに活動から学びを得ていました。
ぎふ地域学校協働活動センターでは、引き続き学生ボランティアによる支援を促す取り組みを進めていきます。
羽島市立足近小学校の放課後子ども教室へ学生ボランティアを派遣しました
令和5年12月7日(木)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業の一つである学生ボランティアマッチング機能を活用し、岐阜大学の学生ボランティア(地域科学部2年生3名)が羽島市立足近小学校の放課後子ども教室に参加しました。今回の子どもの参加数は12名で、地域の有志ボランティアからなる支援員4名、講師役の足近グラウンドゴルフクラブの方々6名とともに活動を行いました。
足近小学校の放課後子ども教室では、地域の有志ボランティアが支援員となり、小学校3年生を対象に、軽スポーツや伝統文化などの体験活動を実施しています。
今回の放課後子ども教室では、グラウンドゴルフ体験をした後、自主学習に取り組みました。体験の際は、足近グラウンドゴルフクラブの方々が講師役となり、子どもたちとふれあいながらグラウンドゴルフを楽しみました。学生ボランティアは子どもたちと一緒に体験しながら、子どもたちがルールを守りながら活動を楽しめるよう支援しました。また、自主学習の際には、宿題に取り組む子どもたちを見守り、集中して学習に取り組めるよう必要に応じた援助を行いました。
参加した学生ボランティアは、「支援員の声掛けや指導も、子どもたちの意欲が出るように工夫されており、子どもたちに嫌そうな顔をする子はおらず、みんな楽しく活動ができていました」、「支援員の励ましや誉め言葉があったことで子どもたちは自分に自信を持て、楽しくプレーをできたのだと思います」、「どんなに小さいことでも褒めることで子どもたちのやる気や参加しようという気持ちを高めたり、他にも、全体に声をかけるときは、大きな声でゆっくり、はっきりと聞こえやすいように声掛けをしていたが、子ども達が宿題をしているようなときには、寄り添って、そっと声掛けをするように、その場その場での対応が実践されており、子どもたちの立場に寄り添って考えることは大切だと実感した」と、支援員の子どもに対する声かけに工夫を感じ、支援のあり方について学んでいました。
ぎふ地域学校協働活動センターでは、引き続き学生ボランティアによる支援を促す取り組みを進めていきます。
羽島市立正木小学校の放課後子ども教室へ学生ボランティアを派遣しました
令和5年12月6日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである学生ボランティアマッチング機能を活用し、岐阜大学の学生ボランティア(工学部1年生1名、社会システム経営学環2年生1名、教育学部3年生1名)が羽島市立正木小学校の放課後子ども教室「まさきっずクラブ」に参加しました。今回の子どもの参加数は13名で、地域の有志ボランティアからなる支援員4名、ボッチャの外部講師2名とともに活動を行いました。
放課後子ども教室「まさきっずクラブ」では、地域の有志ボランティアが支援員となり、小学校2年生を対象に、軽スポーツや伝統文化などの体験活動を実施しています。
この日のまさきっずクラブでは、宿題などに取り組む自主学習の後、ボッチャ体験を実施しました。学生ボランティアらは、自主学習の際には、問題が分からず困っていないか、勉強にきちんと取り組めているか等、声掛けが必要な場面を常に意識して見回り、ボッチャ体験の際には、「頑張れ!」、「すごい、上手!」等と声を掛け、子どもたちにとってより楽しい体験となるように働きかけました。
参加した3名の学生ボランティアは、子どもに対する支援員の働きかけを見ることで、地域学校協働活動において地域と子どもを結びつける支援員のあり方について学びを得ていました。ある学生ボランティアは、「体育館への移動時、体育館を使えるようになるまで時間がかかり、児童が廊下で待機する場面があった。その際、支援員の方はじゃんけん大会を始めた。児童は喜んでそれに参加していた。そして、数回行ったのち、最後のじゃんけんは言葉を発さずに行おうと促し、児童が静かになったままの状態で体育館へと向かわせていた」、「子どもたちを退屈させないよう、かつ、叱って従わせるのではなく、楽しく静まらせようという、優しさに溢れた行動だと思った」と支援員の配慮と行動から学んでいました。また、他の学生ボランティアは、「この教室のような、家族以外の大人や地域の人々と触れ合える場所は、普段の学校生活でも家庭でもない社会教育の場として重要な役割を果たしていると感じた」と地域学校協働活動のもつ意義を体感していました。
ぎふ地域学校協働活動センターでは、引き続き学生ボランティアによる支援を促す取り組みを進めていきます。
令和5年度第4回地域学校協働活動推進員等育成研修を実施しました
令和5年11月30日(木)に、ぎふ地域学校協働活動センターの人材育成事業のひとつである「地域学校協働活動推進員等育成研修」を実施しました。総まとめとなる今回は、岐阜大学全学共通教育棟教室を会場として、対面で実施しました。
ぎふ地域学校協働活動センターは、地域・自治体・学校における「地域学校協働活動」を支援・促進し、子どもたちの成長を地域全体で支えるとともに、活動を通じて地域の活性化を図ることを目的に、岐阜県と岐阜大学の共同で設置されました。同センターは、①人材育成・確保、②調査研究、③普及促進を行っており、今回の育成研修は①人材育成・確保に関する取り組みです。
受講者は、現在、県内各地域において、社会教育行政、公民館等の施設、学校、地域団体等で活躍する人々で、様々な課題意識をもって参加されていました。今年度は83名の受講申込がありました。
はじめに、岐阜大学教育学部准教授 板倉憲政氏から「現代の子どもの特徴と関わり方」と題して、現代の子どもたちについて考えていくために、子どもの自殺、虐待、薬物等の依存や自傷行為の実態、その背後にある心の傷や不安・苦悩、孤立・孤独などについての情報提供と、その知識を踏まえてどのように子どもたちと関わっていくことができるかについて、体験的なワークも交えながら分かりやすくご講義をいただきました。質疑応答では、「気になる子どもに出会ったとき、どのように対応したらよいか」という質問に対し、板倉氏から「最初の対応として必要なものは、必ずしも専門家による対応ではない。一緒にいてあげる、話を聞いてあげるだけで、「困っている」と言う声を引き出せることがある」と回答がありました。
その後、第1回から今回までの研修を振り返り、地域学校協働活動の可能性を探りながら、受講生間での情報交換を図るためのグループワークを実施しました。グループでの話し合いにおいては、どのように子どもたちを核とした地域を実現し、盛り上げていくか、また地域活動へ関わる人を増やしていくか、といったことが話し合われていました。
今後、育成研修を終えた受講生がその学びを活かしながら地域学校協働活動推進員等としてそれぞれの地域で活躍されることを期待しています。
下呂市まちづくり講演会にて市町村支援プログラムを実施しました
令和5年11月22日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、下呂市まちづくり講演会へ講師派遣を行いました。
本講演会は市民に向け、コミュニティースクールや地域学校協働活動の地域における役割や目的を周知し、地域が一体となって取り組む意識の向上を図ることを目的として実施されました。参加者は、学校運営協議会や学校の関係者、地域学校協働活動推進員、民生委員や自治会役員、市職員等、計56名でした。
講師である一般社団法人とちぎ市民協働研究会代表理事 廣瀬隆人氏からは、「地域の子どもたちは、地域で育てる~子どもを核とした、地域のつながりづくり~」と題し、“子どもを核とした地域づくり”の実現に向けた講演がありました。廣瀬氏からは、「新しいことを始めなくとも、今取り組んでいることに心と思いを込めて大事に継続していくこと」、「今あることに変化を加えながら残していくこと」の重要さについて、実例や体験談を交えながら力強く語られました。
参加者は、講師の言葉をメモしたり、発言に対して反応したりするなど熱心に聴講していました。参加後の感想のなかには、「先進的な取り組みではなく、その地にあった取り組みがきっとあるはずと思いました。それが何なのか見つからなくて、過疎化が進んでどうしたらよいのか…と、さみしい気持ちになっていましたが、まずは身近な人とつながることから始めようと思いました。少し、明るい気持ちになりました」という前向きな意見もあり、本講演会を通して、参加者の方々の意識改革や、当事者意識の向上にもつながったのではないかと考えられます。
ぎふ地域学校協働活動センターでは、次年度以降も当プログラム等を活用し、様々な活動に取り組んでいく予定です。
飛騨市の研修会にて市町村支援プログラムを実施しました
令和5年11月14日(火)にぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムを活用し、飛騨市教育委員会事務局生涯学習課が主催した研修会へ講師派遣を行いました。本研修会は、地域学校協働活動を進めるにあたっての課題解決や、今後の活動の充実を図ることを目的に実施されたもので、地域学校協働活動推進員、学校長、教育関係者の計13名が参加しました。
今回の研修会は講演と座談会の2部構成とし、講師は中津川市で地域学校協働活動において統括コーディネーターを務める林 茂富氏でした。はじめに林氏より『主体的で対話的なコーディネーターを目指して』と題した講演があり、その後林氏を交えた座談会にて、市内各地域の実践を通して浮かび上がってきた課題を踏まえながら、実際的な地域学校協働活動の取り組み方や活動のあり方等について意見交換を行いました。
参加した推進員からは、「中津川市の事例を参考に自分が所属する協働本部でも活動として取り入れてみたい」、「統括コーディネーターという役割がどのように活用されているかを知ることが出来た」といった声が聞かれました。また、座談会ではそれぞれの地区での取り組み方などについても意見交換が行われ、推進員同士もお互いの活動を知る良い機会となりました。
地域特性として、飛騨市は教育委員会が主となり7校区が並行して協働本部を設置している一方、中津川市ではそれぞれの校区で別々に発足し活動を広げている、という相違点があります。こうした経緯の違いから地域としての理解や認識、協力体制といった状況が異なっており、全ての課題に対する解決策・改善策を見いだすことは困難でしたが、他市の事例の取り組み方を参考にして、学校とのかかわり方などについて理解を深めるきっかけとなりました。