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令和7年度 第1回地域学校協働活動推進員等育成研修を実施しました

 6月24日(火)に、ぎふ地域学校協働活動センターの人材育成事業の一つである「第1回地域学校協働活動推進員等育成研修」をオンラインで実施しました。

 ぎふ地域学校協働活動センターは、岐阜県と岐阜大学が共同で設置した組織で、地域・自治体・学校における「地域学校協働活動」を支援・促進し、子どもたちの成長を地域全体で支えるとともに、活動を通じて地域の活性化を図ることを目的としています。

 同センターでは、「人材育成・確保」、「調査研究」、「普及促進」の3つの分野で活動しており、今回の研修は、「人材育成・確保」に関する取組の一環として、市町村や社会教育関係団体と連携し、地域学校協働活動推進員などを育成する目的で行います。今年は、地域学校協働活動推進員に加え、岐阜県子育て支援研修の修了者も研修対象とし、地域学校協働活動の基礎知識や実践方法について全4回の研修を行います。今年は96名の受講申込がありました。

 第1回である今回は、益川浩一センター長からセンターの概要や研修の目的に関する説明に始まり、廣瀬隆人氏(一般社団法人とちぎ市民協働研究会代表理事/元宇都宮大学教授・元北海道教育大学教職大学院教授)より「基礎から学ぶ『学校を核とした地域づくり』・『地域とともにある学校づくり』」と題した講演も行いました。講演では、「学校を核とした地域づくり」、「地域学校協働活動」、「地域づくり」といった概念を解きほぐしながら、地域のコーディネーターとなる推進員の役割について事例を交えた説明がありました。

 その後、グループに分かれ、各地における実践の状況や課題について意見交換を行いました。それぞれの地域における事例や、各参加者の立場からの思いなどを話し合いました。

 最後の質疑応答では、講師ー参加者だけではなく、参加者間でも盛んに言葉が交わされました。「やはり、学校を中心としてしまうと、学校教員の負担が多くなるのではないか」という質問に対して、廣瀬氏は「教員に動いてもらおうとする前提があるから、負担をかけてしまう。推進員である自分が動いて地域と学校を繋いでいくことによって活動は進んでいく。学校に何かをやらせると考えるのではなく、学校に入り込んで様子を見た上で、地域の人とどんなことをできるかを考えていくのが大切」と助言がありました。また、「外国籍の家族とつながるためのヒントがほしい」、「学校長の先生にどのように働きかけると良いか」、「推進員や活動している人の間での連絡手段は何か」といった具体的な疑問について情報を共有する機会となりました。

 廣瀬氏は、「それぞれの地域で、自分のできる形でやれば良い。無理をしては負担感が出て続かない。その地域でできること・その地域でしかできないことをやれば良い。それぞれの地域で今皆さんがやっておられることで良い」と述べ、今後推進員等として地域で活躍されていく参加者を後押しされました。

 次回の育成研修は8月26日(火)に実施する予定です。受講者が今回の育成研修で学んだことを生かし、それぞれの地域でより一層活躍されることを期待しています。


廣瀬氏による講演の様子


全体での質疑の様子

飛騨市教育委員会にて地域学校協働活動支援プログラムを実施しました

 令和7年6月21日(土)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、飛騨市教育委員会の地域学校協働活動関係者を対象とした研修に講師派遣を行いました。

 研修は飛騨市古川西小学校区の地域学校協働活動推進員、学校教員、地域住民合計53名が参加し、地域で将来の担い手を育てるために地域学校協働活動を通してどんなことができるかを事例から学び、今後何ができるかを考えることを目的に実施されました。

 研修会ではまず、郡上市立大中小学校地域学校協働本部「おおなかよし」事務局の佐藤備子氏、片桐朱実氏による「できることで、ゆるく、楽しく、つながる『おおなかよし』」と題された大中小学校での活動について講話がありました。講演後には、分散会として参加者同士での意見交換が行われました。

 今回の研修を通して、参加者の地域学校協働活動推進員や地域住民からは「ゆるく楽しくが大事とお話されていたが、無理のない範囲でできることに関わっていくことが続けていくポイントだと思った」、「講演の中で大中小の取り組みが上手に整理されていたので、西小でもやっていることを整理して地域などにもっとPRしていくことが大事なのではないか」といった声がありました。

  ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も講師派遣プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。

 

恵那市立中野方小学校教職員を対象に地域学校協働活動支援プログラムを実施しました

 令和7年6月18日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、恵那市立中野方小学校の教職員を対象とした相談会を行いました。

 相談会は中野方小学校の教職員2名と市地域学校協働活動担当者が参加し、中野方小学校が学校運営協議会と地域学校協働活動を一体的に推進する上での今後の方向性を見出すことを目的に行われました。

 相談会では、中野方小学校の地域学校協働活動を推進する上で核となるふるさと学習の取り組みについて、その現状と今年度の校内研究の方針について説明がなされた後、センター長の益川浩一教授より、地域や子どもの実態を見つけ、行動に結びつける系統的なカリキュラムづくりや、体制づくりを明確にするための工夫などについてのコメントがありました。その後、コメントを踏まえて中野方小学校より今後の動きについての説明がありました。

 今回の相談会を通して、「地域と学校が願いでつながることが地域連携の肝であることや、バックキャスト思考を取り入れた活動の組み立て方など、今後の校内研究を方向づける助言をいただけた」、「学校で考えていた研究の方向性の背中を押していただけたことで、自信をもって今後の校内研究を進めていきたい」といった感想がありました。

  ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も伴走支援プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。

御嵩町公民館職員・社会教育委員研修会にて地域学校協働活動支援プログラムを実施しました

 令和7年6月6日(金)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、令和7年度御嵩町公民館職員・社会教育委員研修会へ講師派遣を行いました。

 研修は御嵩町の公民館職員や社会教育委員、教育委員会事務局の学校教育・社会教育関係者など22名が参加し、地域づくりを自分ごとにするための活動や働きかけについて考えることを目的に行われました。

 研修会では、まず揖斐川町小島公民館主事で社会教育士の衣斐淳美氏による講話がありました。この中では小島公民館での幼児教育学級や家庭教育学級との関わり、夏祭りを通した中学生との関わりなど、世代を超えて地域の人々がつながる様々な場づくりの事例について紹介されました。またこうした場づくりや、その計画・準備段階が地域のことを自分ごととして捉えることにつながったり、自身のやる気が自信となってやがて地域づくりのエネルギーになったりするといった人づくりの大切さなどが話されました。研修の後半では小グループ交流会として、参加者が講話の内容を振り返りながら地域の実情について話し合ったり、それぞれの立場からの今後の地域との関わり方について意見交換しました。

 研修を通して、地域の仲間を増やすために参加型の企画を運営参加型の企画へと発展させることの大切さを学んだり、「世代間をこえた連携を通して次世代につながる仕組みを考えていきたい」といった感想がありました。

 ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も講師派遣プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。

 

令和7年度第1回地域学校協働活動推進員等フォローアップ研修を実施しました

 令和7年6月17日(火)に、ぎふ地域学校協働活動センター(岐阜県と岐阜大学による共同設置)の人材育成事業のひとつである「地域学校協働活動推進員等フォローアップ研修」を実施しました。

 受講者の皆さんは、昨年度までに「地域学校協働活動推進員等育成研修」を修了し、現在、県内各地域で、地域学校協働活動推進員や地域コーディネーター、社会教育行政・公民館関係者、教職員等として活躍されている方々です。今年度は38名の受講申込がありました。

 今回は、文部科学省 国立教育政策研究所 統括研究官の志々田まなみ氏を講師にお招きし、「持続可能な体制づくりをめざして」と題した講話をいただきました。子どもたちが学ぶ場は学校だけではなく、子どもの学びを広げていくためには学校と地域にいる様々なアクターがつながることが有用であって、持続可能な体制づくりを目指す上でも地域の中でつながりあうことは大切であると、参加者間でのワークを交えながらお話しいただきました。

 また、講話後の意見交換の場では、地域学校協働活動の基本的なあり方を再確認する質問や、地域の人々を活動に巻き込んでいく工夫の仕方に関して質問があったほか、講話中に出た事例について深める問いもありました。

 受講者からは、「事例を交えたお話で、それぞれの地域の特色を生かしながら、そこにあるヒト・モノ・コトをつなげることの大切さを学びました」、「さまざまな人を巻き込んでいくために、地域の人々に少しずつでも声をかけていくことを大切にしていきたい」、「志々田先生のお話をふまえて、地域の現状を整理して、やれることから進めていきたい」といった前向きな感想が聞かれました。

 次回のフォローアップ研修は令和8年1月となります。ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も研修事業等を通じ、地域学校協働活動にかかわる方々を対象とした学びや情報共有の場を提供していきます。

志々田氏による講話の様子

美濃地区社会教育及び家庭教育担当者合同研修会にて地域学校協働活動支援プログラムを実施しました

 令和7年5月8日(木)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、令和7年度第1回美濃地区社会教育及び家庭教育担当者合同研修会へ講師派遣を行いました。

 研修は美濃地区(関市・美濃市・郡上市)の教育委員会の社会教育・家庭教育担当者など14名が参加し、地域と学校が組織的につながるための仕組みづくりに向け、他地域の事例や担当者の動きについて学ぶことを目的に行われました。

 研修会では、白川村教育委員会事務局長  新谷さゆり氏による「地域学校協働活動において大切なこと」と題した講話がありました。この中では白川村での子どもとの関わりや地域づくりと結びつきながら行われている地域学校協働活動の様子が紹介されました。また、地域学校協働活動は手立てでありそれ自体が目的ではなく、地域と学校が共に子どもを支えていくことの大切さなどが話されました。

 研修を通して、白川村の実践を参考にしながら、地域学校協働本部を作るということをゴールとせずに地域の実情にあわせて地域学校協働活動を進めていきたいという声があったほか、事例を聞きふるさとに直接帰って来なくとも心はずっと地域と共にある子どもを育てることの大切さを感じた、といった感想がありました。 ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も講師派遣プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。

 

美濃市教育委員会にて教職員対象の市町村支援プログラムを実施しました

 令和6年12月4日(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、美濃市教育委員会が主催する研修へ講師派遣を行いました。

 この研修は、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進について、窓口となる教職員の理解を深めることを目的に行われました。参加者は美濃市内の小中学校教頭など計13名でした。

 研修会では、はじめに岐阜県環境生活部県民生活課 生涯学習企画監 安藤由美子氏から、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動をどのように結びつけていくかに事例を交えた講話がありました。その後は参加者間での意見交流の時間を設け、各地域での取り組みについて互いに紹介した後、学校と地域住民との間で子育てや地域づくりについて共通意識をどう築くかについて話し合いが行われました。

 研修を通して、「コミュニティ・スクールや地域学校協働活動に関する用語の整理ができ、理解が深まった」という声があったほか、「各学校の教職員にも地域と学校がともに子育てや地域づくりに向けた意識をもつことを伝えていきたい」といった感想がありました。

 ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も講師派遣プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。


恵那市教育委員会にて市町村支援プログラムを実施しました

 令和6年9月18(水)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、恵那市教育委員会が主催する研修へ講師派遣を行いました。

 この研修は、県内の先進事例から地域学校協働活動の在り方や推進員の役割を学ぶことを目的に行われました。参加者は恵那市地域学校協働活動推進員など計14名でした。

 研修会では、高山市の大八まちづくり協議会 山本真紀氏による講演がありました。東山校区の地域学校協働活動を事例としながら、地域学校協働活動では学校を支援することや活動をすることを目的とするのではなく、「どのような子どもを育てるか」というめざす子ども像を地域と学校で共有していくことが大切であると話されました。

 参加者からは、コーディネーターとして果たしている役割や、働き方改革などについての質問があり、山本氏と参加者がともに恵那市の現状を踏まえた推進員としての活動の在り方や、学校と地域との連携の進め方などに考えを巡らせる場面もありました。本研修を通して、地域学校協働活動は地域住民が学校のサポーターになるということではなく、地域のつながりをつくる契機としての在り方が大切であることが確認されました。

 ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も講師派遣プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。

下呂市の研修会にて市町村支援プログラムを実施しました

 令和6年11月21日(金)に、ぎふ地域学校協働活動センター事業のひとつである市町村支援プログラムに基づき、下呂市役所地域振興課が主催する研修会へ講師派遣を行いました。

 本研修会は、下呂市の地域学校協働活動推進員に対して、学校運営協議会や地域学校協働活動の理解を深めるとともに、これら2つの一体的推進について、具体事例を参考にしながら事業の充実を図ることを目的に行われました。参加者は市内の地域学校協働活動推進員など計21名でした。

 研修会ではまず、高山市の大八まちづくり協議会 山本真紀氏による学校運営協議会と地域学校協働活動の目的及び、それらを一体的に推進する意義についての講演がありました。その後、KPT法を用いたグループワークによって、それぞれの地域における現状と課題点、今後の活動で行っていきたいことを洗い出し、アクションシートを使って具体的な動き出し方や地域の目指す姿を明確にしていきました。

 参加者からは、「講師に紹介された事例を参考にして自分たちの地域で取り組んでみたいアイディアや協力してもらえそうな人の顔が浮かんだ」という声や、「具体的に考えることによって、活動ができるのではないかという思いになった」などの感想がありました。地域学校協働活動推進員の方々にとって、地域の未来を具体的に考えるきっかけづくりとなる場となりました。 ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も講師派遣プログラム等を通じて、地域学校協働活動を支援する取り組みを進めていきます。

グループワークの様子

山本真紀氏の講演の様子

令和6年度第4回地域学校協働活動推進員等育成研修を実施しました

 令和5年11月26日(火)に、ぎふ地域学校協働活動センターの人材育成事業のひとつである「地域学校協働活動推進員等育成研修」を実施しました。総まとめとなる今回は、岐阜大学全学共通教育棟教室を会場として、対面で実施しました。
 
 ぎふ地域学校協働活動センターは、地域・自治体・学校における「地域学校協働活動」を支援・促進し、子どもたちの成長を地域全体で支えるとともに、活動を通じて地域の活性化を図ることを目的に、岐阜県と岐阜大学の共同で設置されました。同センターは、①人材育成・確保、②調査研究、③普及促進を行っており、今回の育成研修は①人材育成・確保に関する取り組みです。

 受講者は、現在、県内各地域において、社会教育行政、公民館等の施設、学校、地域団体等で活躍する人々で、様々な課題意識をもって参加されていました。今年度は50名の受講申込がありました。

 はじめに、岐阜大学教育学部准教授 板倉憲政氏から「現代の子どもの特徴と関わり方」と題して、現代の子どもたちについて考えていくために、子どもの自殺、虐待、薬物等の依存や自傷行為の実態、その背後にある心の傷や不安・苦悩、孤立・孤独などについての情報提供と、その知識を踏まえてどのように子どもたちと関わっていくことができるかについて、体験的なワークも交えながら分かりやすくご講義をいただきました。質疑応答では、「学校と地域の連携において地域の住民が子どもと接するときに気をつけるべき点は何か」という質問に対し、板倉氏から「地域の方がどこまで子どもに関わることができるかにかかっており、信頼できる大人の言葉は信頼していない大人の言葉より響きやすい。(子どもが困りごとを抱えているようであれば、)信頼できる大人(地域の住民)から必要な機関等につなげていくといったこともできる」と回答がありました。

 その後、第1回から今回までの研修を振り返り、地域学校協働活動の可能性を探りながら、受講生間での情報交換を図るためのグループワークを実施しました。グループでの話し合いにおいては、研修を通じて、地域学校協働活動や推進員の活動内容や先行事例を学ぶ機会となったこと、自身の業務や取組を見つめ直すきっかけになったこと、楽しさや関わりやすさを作る工夫が大切であること、といったことを参加者自身の実践事例なども交えて話し合われていました。

 今後、育成研修を終えた受講生がその学びを活かしながら地域学校協働活動推進員等としてそれぞれの地域で活躍されることを期待しています。 

 板倉憲政氏の講義の様子

 グループワークの様子