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2025-09-03

愛知県蒲郡市の放課後子ども教室「読書感想文講座」に学生ボランティアを派遣しました

 令和7年8月7日(木)、ぎふ地域学校協働活動センターの二村玲衣センター員が担当する講義の一環として、愛知県の蒲郡市立蒲郡中学校で実施された放課後子ども教室「読書感想文講座」に学生ボランティアを派遣しました。

 「読書感想文講座」は2022年より、蒲郡市放課後子ども教室支援員の早川康子氏と蒲郡市地域学校協働活動推進員の山本紀代氏(元学校図書館支援員で講師を務める)により、地域の小学生を対象に実施されています。地域の中学生・高校生や、小中学校教員、児童・生徒の保護者や住民が協力して小学生の読書感想文を支援することが講座の主な内容であり、世代を超えた交流の場として機能してきました。
 岐阜大学との協働は今年度で2回目です。当日は小学生10名、中学生15名、高校生7 名、蒲郡市の教員や地域学校協働活動推進員等を含む講師・サポーター7名、岐阜大学から学生19名、教員1名が参加しました。加えて、昼食の調理スタッフ・午後のお抹茶体験講師として地域住民16名の協力があり、同日は総勢80名が同講座に関わりました。

 講座は、講師の山本氏や地域の住民、教員が見守るなか、小学生1名につき中学生・高校生・大学生が複数名ついてグループをつくり、大学生の進行のもと小学生に本の内容や感想をインタビューするかたちで進められました。小学生の言葉を、中学生・高校生・大学生がそれぞれの視点から問いかけ、掘り下げていくことにより、小学生が本を読んで感じたことをグループで共有していきました。
 地球温暖化に関する本の感想文に取り組む小学生をサポートしたグループでは、「温暖化が身近で起こるならどうする?」といった学生の発問をきっかけに、本に書かれた内容を具体的な日常のイメージとつなげることができ、単に本を読んだ感想にとどまらない、自分ゴトに引き寄せた思いを込めて、感想文を書くことができました。

 昼食は、日頃から「がまなん食堂」に携わる地域住民の方々が美味しいカレーを調理しご提供くださいました。
 その後は地域住民の方によるご指導のもとお抹茶体験をしたり、カードゲームや立体パズルをしたりと、世代を超えて楽しみあい、参加者間でさらに交流を深めました。

 参加した学生からは、「自分自身が読書感想文に苦手意識をもっていたからこそ、『どう書いたらいいか分からない』という子どもたちの気持ちに寄り添うことができると思った」、「子どもと関わることに苦手意識をもっていたが、今回の関わりを通して、はじめは難しくても働きかけていくことで打ち解けて仲良くなれるのだと知った」等の感想があり、講座を通して多様な気づきを得ていました。さらに、「教育は学校の中だけで完結するものではなく、地域全体が⼦どもたちを育てる舞台であるという考え⽅を実感した」、「地域ボランティアの方同士で談笑している姿を見て、こうした地域活動の場は、子どもと大人の交流だけでなく、大人同士を交流させることにもつながると感じた」といった本講座のような地域学校協働活動の意義への気づきの声や、「私たち自身も、学生という⽴場から地域の⼀員として、⼦どもたちの未来を応援する「つながり」をこれからも⼤切にしていきたい」、「こうした学校や家庭以外の地域の居場所は、未来を担っていく子どもたちにとって大切だと感じた。自分も学校と地域の架け橋となれる教員を目指していきたい」等、今後に活かしていきたいという声もありました。

 ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も蒲郡市をはじめとした岐阜県内外のさまざまな地域と関わりながら、よりよい地域学校協働活動のあり方を探究し、実践を進めていきます。

蒲郡市内で地域活動を行う団体「小江まちカフェ」が主体となり、地域住民の協力のもと、蒲郡南部小学校の子どもを対象に実施している子ども食堂。