2024-09-17

愛知県蒲郡市の放課後子ども教室「読書感想文講座」に学生ボランティアを派遣しました

 令和6年8月7日(水)、ぎふ地域学校協働活動センターの二村玲衣センター員が担当する講義の一環として、愛知県の蒲郡市立蒲郡南部小学校で実施された放課後子ども教室「読書感想文講座」に学生ボランティアを派遣しました。

 「読書感想文講座」は2022年より、蒲郡市地域学校協働活動推進員の早川康子氏と山本紀代氏(元学校図書館支援員で講師を務める)が地域住民の要望に応え、地域の小学生を対象に実施されています。同校の卒業生が通う蒲郡市立蒲郡中学校の生徒・教員との連携、蒲郡中学校を卒業した高校生、教育関係者、児童・生徒の保護者や住民が協力し小学生の読書感想文を支援することが講座の主な内容であり、世代を超えた交流の場として機能してきました。
 岐阜大学との協働は今年度が初の試みであり、当日は小学生13名、中学生8名、高校生8名と推進員等住民11名、蒲郡市学校教員5名と、岐阜大学から学生26名、教員1名が参加しました。加えて、昼食の調理スタッフとして地域住民13名の協力があり、同日は総勢85名が同講座に関わりました。

 講座は、講師の山本氏や地域の住民、教員が見守るなか、小学生1人につき中学生・高校生・大学生が3〜4名ほどが付いてグループをつくり、大学生の進行のもと小学生に本の内容や感想をインタビューするかたちで進められました。内容や感想を掘り下げるなかで互いの思いや経験を伝えあうことで、次第に参加者間の交流が深められました。
 例として、東日本大震災にかかわる本の感想文に取り組む小学生のグループでは、発災時まだ生まれていない小中学生に向け、地域住民の方から当時の蒲郡市の様子についてお話があったり、当時未就学児や小学生だった大学生が子どもとして震災をどう感じたかを伝えたりすることで、互いに震災への解像度を高めながら話し合える関係性を築いていく様子が見受けられました。

 多くの小学生が午前中に感想文を完成させ、以降は多世代交流の時間となりました。昼食は日頃から「がまなん食堂」に携わっておられる地域住民の方々が100人分のカレーを調理しご提供くださり、学生や地域の子どもたちが一緒になって話しながら美味しくいただきました。
 その後は地域住民の方によるご指導のもとでお抹茶体験をしたり、自由にカードゲームをしたりと、世代を超えて楽しみあい、参加者間でさらに交流を深めました。

 参加した学生からは、「イベントのように楽しみながら取り組めるので、読書感想文への苦手意識が解消されるのではと思った」、「人との新たなつながりを作れる上に楽しい思い出ができるので、また参加しようかな・今度は友達も誘ってみようと思える講座だと感じた」等、講座そのものの意義に対する感想や、「これまであまり経験したことのなかった地域の多世代との交流で心が温まり、こうした活動に今後も関わってみたいと思った」、「このような機会を地域と学校が協⼒して作ることで、地域にも良いことがあると思いました。実際に、私が担当した子も今後のボランティアに参加する予定があると聞きました。きっと地域の⽅と交流があるから、今後のボランティアにも参加しやすいのだなと思いました」等、こうした地域活動がもつ価値への気づきの声が聞かれました。

 また、地域住民の方からは、「この地区では普段子どもたちが大学生と交流できる機会がほとんどないので、よい機会となった」、「たくさんお兄さんお姉さんがいることで、子どもが普段の活動以上に楽しそうでうれしくなった」、「感想文を書くときに大学生が教えてくれたことは、今はまだその子にはわからなくても、その感想文を読み返すとき、大人になって思い出したとき、自分が物を考えるとき、きっとその子の力になっていると思う」といったコメントをいただきました。

 蒲郡南部地区では活発な地域学校協働活動が行われてきており、今後も引き続き講義等での関わりを続けていく予定です。ぎふ地域学校協働活動センターでは、今後も蒲郡市をはじめとした岐阜県内外のさまざまな地域と関わりながら、よりよい地域学校協働活動のあり方について探究を進めていきます。

蒲郡市内で地域活動を行う団体「小江まちカフェ」が主体となり、地域住民の協力のもと、蒲郡南部小学校の子どもを対象に実施している子ども食堂。

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